君がくれたもの
「2ヶ月も眠ってたんだぞ。
なのに、このタイミングで目をさますって、ふざけんなっ。」
そう言って号泣しながら私を抱きしめる大翔。
タイミング?なんのこと?
「…大輝が、車に轢かれて今手術中なんだ。」
夢、じゃなかった…?
嫌な汗が、背中を伝い、
頬からは涙が溢れ、
ベッドから起き上がろうとしても、
力が入らなくて起き上がれない。
這い蹲りながらも、必死に向かおうとすると、
「おい!日菜子!」
大翔に止められても、
「…行かなきゃ!」
掠れた声でそう言いながら、向かおうとしても、
「今医者がくるから!
だめだ!」
必死に止める大翔。
だめ、
大輝が、だめだよ。
ぼろぼろ涙を流しながら、這っていると抱き上げられた体。
「離して!」
…なんで掠れた声しかでないんだろう。
「離してよ!
大輝のところに行かなきゃ!」
ボロボロと溢れる涙。