君がくれたもの
「1人の女も幸せにできないお前に
よくそんなこと言えるな!
1人だけを愛し続けられなくて、
日菜子ちゃんを傷つけたお前がそんなこと言う資格あんのかよ!
ふざけんな!
お前もだよ!
そこの女!
親友の彼氏に手出して恥ずかしくねぇのか?!
そういうことはちゃんと別れてからしねぇと
する側もされる側も今みたいに傷つくんだよ!
そんなのもわかんねぇやつらに
誰かを想う資格なんか、
日菜子ちゃんを傷つける資格なんか
ねぇに決まってんだろ!」
そう叫んだ金澤に涙が止まらない。
私のために怒ってくれる人がいることに、
私のために怒ってくれた人が、
初めてで、
涙が止まらない。
だけど、
「お願い、
金澤。
やめて、私は大丈夫だから!」
私は大丈夫だから。
やめて、
「…私は大丈夫だから…。
やめて…。」
金澤お願い。
「今は、側にいて。」
ぽつりと溢れた本音。
自分の本心を言ったのはいつぶりだろう。
「…こんな人達相手にしなくていいから…
金澤の綺麗な手を私のために汚さないで。」
金澤を後ろから抱きしめた私。
大丈夫だから。
その気持ちを込めて。