君がくれたもの


それからすぐに私は退院をした。

それでも毎日毎日病院へと大輝に会いに行った。

それでも、

大輝は目を覚まさなくて、

気づけばもうクリスマスになっていた。


大通りの国道沿い、

大輝が轢かれた場所

を通って大輝のマフラーをしながら病院へと足を進める。

国道沿いの花屋さん、

すごく可愛いお店。

大輝に花でも買おうかな。

花屋さんへと入ると、

綺麗な若い女の人が駆け寄ってきた。


黒髪の綺麗なポニーテールで、

薄い青いエプロンをした女の人…。


「いらっしゃ…あら?そのマフラー…。」

そう言って動きを止めた女の人。

女の人は、

震える声で、

「もしかして、茶髪の身長の高い男の子を知っていますか…?」

え、大輝の事?

スマホを取り出して、大輝との写真を見せながら、

「この人ですか?」

と聞くと、

「あ、はい!その人です!」

と笑顔で言ってきた。


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