君がくれたもの
いつも通り病室へと向かうと、個室の大輝。
コートを脱ぎながら、
「大輝~、今日はすごく寒かったんだよ?
もうクリスマスイブだね。
今年クリスマス雪降るかも!
ホワイトクリスマスだね。」
花束をパイプ椅子の上において、
マフラーを解きながら、
「そう言えば、今日大輝がよくいってた花屋さんに行ったの。
店員さんいい人だね。
大輝の話も少し聞いたよ。
あの日のことも教えてもらった。」
私の声と足音しかしない静かな病室。
「…ねぇ、大輝?」
《…ん?》
いつもなら、そう返してくれたよね。
ワンテンポ遅れて返事をする大輝。
そんな大輝も大好きなんだよ。
「あ、そう言えばね!クリスマスプレゼント。
今年はピアスだよ!
私もピアス開けたんだ。
お揃いでピアスつけようね。」
そう言いながら
大輝の枕元へとピアスを置いた。
大輝の隣に座って手をつなぎながら話し続けた。