君がくれたもの
5章
もう2度と会えない
年が明けたお正月。
お母さんとお父さんは田舎へと帰省している。
私は大輝の病院に入り浸っていて、家に残るということも許してくれた。
大翔も残ってくれて、
毎日病院へと送り迎えしてもらってる。
今日も、病院へ着くと、
「大輝~!
あけましておめでとうー!」
と、大翔と一緒に病室に入ると未だに眠り続けている大輝、
「大輝!今日は大輝の好きなモンブラン買ってきたんだよ!
冷蔵庫にいれとくね。」
そう言って冷蔵庫にしまうと、
大輝の手を握って、
昨日の面白いテレビの話や紅白の話を聞かせた。
「大輝の好きなバンド出てたんだよ?
大輝もったいないねー。
私優しいから録画しといたよ?」
「だから目が覚めたら一緒に見ようね。」
ふふふと笑う私を顔を歪めて見つめる大翔。
「今日は大翔も来てくれたんだよ?
あと一年で大翔は社会人だって!
私たちはもう今年で高校三年生だよ?
理事長がね、留年にはしないって言ってくれたんだよ…
だから、早く目を覚めてね?」