君がくれたもの


「みんなで一緒に卒業しようね。」

壊れたように話し続ける私。

「あ、私の好きなアーティストのライブ春にやるんだ!

大輝一緒に行こ?」

「あ、あとね、明日で相良やっと、17歳だって!」

「相良、身長伸びたらしいよ?
2センチ!
まだまだ、大輝には追いつけないね。」

「それにしても大輝寝すぎだよ?!
もう~、3ヶ月!
寂しいなぁ。」

ぽつりと溢れた言葉、

涙なんて枯れてしまった。

ニコニコ笑顔でずっと大輝に話しかける。

「大輝大好き!」

だから早く目を覚まして~、と笑っても、

笑い返してくれなくて、

《俺も好きだよ、》

とも言ってくれない。

「ねぇ、大輝?
大輝の声忘れちゃいそうで怖いよ。」

ツーっと頬を伝った涙。


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