君がくれたもの


大翔の問いに、

「思えるか?じゃなくて、

私は思ってる。

大輝の帰る場所に私もなりたい。

どんなに拒絶されても私は大輝の帰る場所になる。

大輝が助けてって言うなら助ける。」

そう言い切った私に目を見開いたお兄ちゃんは優しく私の頭を撫でて、

「わかってた。
ありがとな。」

そういって出て行った、

大翔。

だけどすぐに戻ってきた大翔の手には、

私の好きなオレンジジュースと自分の分のブラックのコーヒー。


「日菜子〜、オレンジジュース買ってきたぞ。」

とニコニコ笑顔の大翔。

「ねぇ、さっきのどういうこと?」

そう聞くと、首を傾げて

「車の中のこと?」

車の中でなんかあったか?と考え込む大翔に私は、

「は?病室でだよ!」

と言うと、

「は?俺今日ここに入るの初めてだけど。」


…言われてみれば口調も服装も違う。

…もしかして、あれは、


「……大輝のお兄ちゃん?」

「…は?直人?」

「え?!知ってるの?!」

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