君がくれたもの


それから1時間後。

直人さんの意識は戻ることはなかった。

あと2ヶ月が砦

2ヶ月のうちに目を覚まさなかったらもう望みはないらしい…。

心臓は動いているけど、

目を覚ますことはこの2ヶ月で決まるらしい。

目を瞑る直人さんは大輝にすごく似ていて、

どことなく、大翔に似ていた。

それがどんなにこの2人が仲よかったのかを表していて、

大翔は直人さんのベッドに顔を埋めて泣き叫んでいた。


「ふざけんなよ!」

愛する人も、親友もなくしそうな大翔。

そんな大翔に、かける言葉も見つからなくて、私は只々、後ろから抱きしめ続けていた。

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