君がくれたもの
体が硬直した。
ずっと望んでたことが、
今起ころうとしてる。
私の手を握り返した大輝、
ゆっくりと振り返ると、
大輝の固く閉じられていた瞳が少しずつ開いてきて、
「ッ⁈…大輝?!」
私の声に反応を示した大輝。
「大輝?!わかるの?!」
必死に声をかけてると、瞬きをして、少しだけ笑った大輝。
ちょうどそのとき、
コンコン、
ガラッ
「お〜、日菜子ちゃん、大輝はどうだー?…って?!」
瀬山先生が入ってきて、
駆け寄ってきた。
「おーい!大輝くん?!わかるかい?!」
何度も呼びかける瀬山先生。
「わかるなら瞬きして?!」
先生の言葉に瞬きをした大輝。
それを見て涙が止まらない私。