君がくれたもの


先生はナースコールを押して、

すぐにやってきた看護師さんたち。

「日菜子ちゃん、ちょっと出ててもらえる?」

「…はい。」

病室から出ても、体が震えて止まらない。

嬉しくて嬉しくて涙が止まらない。

「おい、日菜子?」

心配で戻ってきたのか大翔が来て、

慌ただしく行き交う病室と涙を流す私を見て、

「まさか?!大輝まで?!」

そう言った大輝に私は必死に首を振った。

「違う!違う!

大輝が、大輝が、

目を覚ましたの!」

そういった私に目を見開いた大翔は、

泣き崩れた。

よかった、よかった。そういって。


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