君がくれたもの
病室に入ると
寝たきりの大輝が弱々しく笑いながら私に腕を伸ばしてきた。
そばに駆け寄ると、
グイッと、どう考えても筋肉が硬い人の力とは思えないくらいの力で引っ張ると、
私を大輝の胸へと優しく押し付けて、
「…会いたかった、
よかった…
日菜子、愛してる。」
掠れた声で言ってきた…。
その言葉に止まらなくなった涙。
「ううっ、
私も会いたかったよ。
よかった。
私も大輝愛してるよ。」
そう言うと笑った大輝は私の顔を優しく包み込んで、
「…ちゅー、して?」
と笑って言ってきた。
私も笑いながら
大輝の唇へとキスをした。
「…幸せ。」
ふにゃっと笑った大輝が愛おしくて愛おしくてしょうがない。
「…大輝、本当に大好き。」
「…じゃないと困る。」
と、掠れた声でケラケラ笑う大輝に
私も声を出して笑っていた。
そんな私達をみんな優しく見守ってくれていた。