君がくれたもの
決意と真相
「だいきー!!」
ガラリといつものようにノックしてから病室に入れば、
すやすや眠る大輝。
大輝が目覚めてから半月。
来週には退院だ。
再来週には学校に行けるんだって、
すやすや眠る大輝を見つめてればいつの間にか私も眠っていて、
夢を見た。
大輝と直人さんが話している夢。
大輝は涙を流していて、直人さんはそれを優しく見守っている。
「大輝?」
私の声に気づかないのか反応を示してくれない。
走っても走っても、なぜか距離は縮まらなくて、
「大輝!」
と叫んでも反応してくれなくて、
泣きそうになっていると、聞こえた、
《そんなに悲しいなら俺と一緒に行くか?》
…直人さんの声
だめ、
だめ、大輝を連れて行かないで…
大輝は虚ろな目で目の前の手に手を置こうとしていて、
だめ!
だけど、不意にどんどん縮んでいく距離、
気づけば、私は後ろから大輝を抱きしめていた。