君がくれたもの


「…大輝、ダメ。

いっちゃやだぁ。」

ボロボロこぼれ出す涙。


「…日菜子。」

振り返って私の頬に手を当てた大輝の後ろで

優しく笑った直人さんは、

《大輝と優香のことよろしくな。》

そう言って消えてしまった。

その瞬間、はっと目覚めると、


大輝の腕の中。

ベッドの中にいて、大輝に抱きしめられてた。

いつの間に…?

だけど、目の前でスヤスヤ眠る大輝の顔を見て、安心して私は泣きながら大輝の胸にすり寄った。

私の鼻を掠める私が大輝にあげた香水の香り。

その香りが余計戻ってきたことを感じさせて、

おもいっきり抱きついた。

「…好きだよ、大輝。」

大輝の安心したように眠る寝顔にキスをした。


すると、眠そうに目を開けた大輝。

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