君がくれたもの
苦しそうにする麻美に、
「何開き直ってんの?」
冷めた目で見据える、
ぎゅっと胸ぐらを掴む両手に力を込めた時、
悠介に、
「おい!やめろ!」
と私の腕を掴んだのを、思いっきり振り払って、
「汚い手で触んな。」
そう冷たく放った。
私以外の女を触った手で私に触れるな。
「金澤は、確かに最低野郎だったと思う。
だけど
あんたらに比べたらマシなんじゃないの?!
お前の目は節穴なの?
無理矢理笑ってる金澤に気づかなかったんだ?」
そうだよ、
私なに見てたんだろ。
金澤が、自分から女を誘ってる時なんて見たことない。
隣になって、一ヶ月だけど、わかる。
あいつが女に無理に優しくしていることに。
私の観察力をなめんな。
「噂は噂。
私はこの目で見たことを信じる。
私は金澤が自分から女を誘った時なんて見た時ないから。」
チラリと金澤を見ると、
言葉を失ってる金澤。
私はゆっくりと麻美を見つめると、
言葉を失う麻美。