君がくれたもの


「あら?お姉どうしたの?」

不敵に笑った美麗さんは

その場の空気を一気に凍らせた。

「なんでここに美麗が来るの。」

そう言った冷夏さんに、

「だって、直人さん目を覚ましたんでしょ?
冷夏だよって、会いに行かなきゃ。」

ニヤリと笑った美麗。

最後に会った時と髪色も目の大きさも変わっている。

…まるで、冷夏さんが2人いるみたい。

「…なに、言ってんの?あんた。」

震える声の冷夏さんは、

目を見開いている。

「え?私何かおかしいこと言った?」

ニコニコ笑っている美麗さんの顔が、

怖くて私は思わず震えてしまった。

怖い、この人やばい。

そう思った時、

「おかしいもなにも、その考えが腐ってんだよ、
美麗。」

大翔の低い声が廊下に響き渡った。

冷夏さんの前に立ち、

「お前は、冷夏さんにもなれないし
冷夏さんもお前になれないんだ。」

そう言った大翔。


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