君がくれたもの
その言葉は胸をきつく締め付けた。
だけど、
美麗さんは
「…なれるよ。」
不敵に笑った美麗さん。
「だって、もう私はお姉ちゃんそのものだもの。」
首を傾げて金髪の綺麗に巻かれた髪も一緒にふわりと揺れた。
赤い唇が妖しく口角をあげた。
「あなたは、冷夏さんじゃない。」
気づけば私は叫んでいた。
「冷夏さんは、あなたなんかと比べ物にならないくらい優しいし!
なにより、あなたと違って直人さんに愛されてる!」
冷夏さんと直人さんの2人の姿なんて一回しか見てない。
だけど、冷夏さんの涙に反応した直人さんは心の底から冷夏さんを愛してる。
冷夏さんの話を聞いて直人さんは冷夏さんをすごく愛してるって、すぐにわかった。
子供ができたって聞いて仕事に就いて養おうとしたと聞いて
本当に2人は愛し合ってるんだってわかった。
会えない間、2人を1人で育てた冷夏さんの苦労を想像して、
それでも、直人さんを恨まずに想い続けたことが
本当の愛の深さがわかったんだ。