君がくれたもの


ゆっくりと目をさますと、

白い天井に薬品の匂いが鼻をかすめた。

「日菜子?目覚めたか?」

大輝の声と右手を包み込む大輝の温もり。

右側を見つめると、大輝がホッとした顔をしていて、

「…ばか、直人さんのところいきなよ。」

と笑いながら言うと、

「日菜子の方が心配だ。」

と言ってきた。

左側がなんとなく重く感じて見れば、大翔と優香が泣き跡を作ってベッドに突っ伏して眠っていた。

私の左頬には大げさじゃない?と思うくらいのガーゼ。

「血かなり出てたけど、大丈夫。

あとは多分残らないと思う。

まぁ、残っても俺が嫁にもらうけどな。」

と笑った大輝。

だけど不意に眉間にしわを寄せた大輝に、

情緒不安定か、
と突っ込みたくなったが、

「日菜子無茶しすぎなんだよ!
本当心臓何個あってもたんねぇ。」

と頭を抱え込んだ大輝。

…そっか、

心配してくれてたんだね。

大輝の頭を撫でて、

「ごめんね。」

と弱々しく笑うと、

不意に顔を上げた大輝は私の腕を掴むとそのまま引っ張って私にキスをしてきた。


月明かりに照らされて重なった2つの影。

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