君がくれたもの
ニヤリと笑った大翔は
私にメイクまでしてくれて、
そして全てが終わった時、
ピンポーン。
インターフォンが鳴り響いた。
「よし!行ってこい!」
と背中を押されて、
私は自分の部屋に行き、
大翔へのプレゼントとスマホを入れたカバンを持って自分の部屋を出た。
おかしいんだよな。
スマホの充電器と財布が見つからない。
財布は下かな。
お母さんに聞いてみよう。
そう思って階段を駆け下りると、
ニコニコ笑ってるお母さんと大輝。(私の方を見て。)
……。
怖いんだけど。
ヒクヒク引きつく頬。
そして、何故か大輝の腕には私のボストンバッグと大輝の大きめの鞄。
そのよこで私の財布を持つお母さん。
…?
首を傾げながら階段を駆け下りて、
そのままの勢いでミュールを履いて大輝の隣に立つと、
はい、と渡されたお財布は前より重くなっている。
「お小遣い入れといたから。」
とニコニコ笑うお母さん。