君がくれたもの


「大輝中庭行こ?」

と笑いながら中庭へと引っ張ると、

小川みたいなのが流れていて小さな庭園だ。

2人で近くにあった岩に座りながら、

星空を見上げて私は、

「月が綺麗だね。」

月なんて出ていないのにそう言ってみた。

怪訝な顔をした大輝に構わず、

「海きれいだったね。」

変なことを言う私にもっと眉間にしわを寄せた。

「楽しいね。」

首を傾げた大輝。

「風が冷たいね。」

そう言ったとき大輝は私を抱きしめた。


…意味気づいたんだね。

「明日も晴れるといいな。」


《月が綺麗だね》

あなたが好き。

《海が綺麗ですね。》

あなたに溺れてる。

《楽しいね》

この時間がもっと続いて欲しい

《風が冷たいね。》

あなたを抱きしめたい。

《明日も晴れるといいね。》

明日もあなたに笑顔でいてほしい。


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