君がくれたもの


「…日菜子、強くなったね。」

その声に振り返ると、何故か目を潤わせている優香と亜美。

泣きながら2人は私に飛びついてきて、

「「…日菜子の夢、応援するからね。」」

2人の声に私は吹き出しながらも嬉しくて頬から涙がこぼれた。

3人で抱き合っていると、

「どうしたんだよ。」

「どうしたの。」

「日菜子離せ。」

………最後なんか違う気がするけど、

「…進路の話ししてたら涙出てきちゃった。」

と3人で笑うとそれぞれ私達の頭を撫でてくれた3人。

何故か私は大輝に後ろから抱きしめられていて、

優香と佐倉は笑い合っていた、

亜美は相良と戯れていて、

こんな時間が長く続いて欲しい。

けどね、

…けど、



「…大輝、暑い。」



無理やり引き離して優香の後ろへと逃げると、

「…へぇ。」

不敵に笑った大輝が追いかけてきた。

私は優香を、優香は亜美を、亜美は相良を、相良は佐倉を巻き込んでみんなで走り回った。

気づけば、体育館でみんなで鬼ごっこをしていた。

笑って、笑って、

ときには悲鳴。

雄叫び、

転んだ相良をみんなで笑ったり、

すごく楽しい時間だった。



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