君がくれたもの

突然の別れ



あれから2ヶ月。

大学へと進むのに日々勉強中。

最近冷えてきたからなのか、

体調が優れない。

気持ち悪くてフラフラして、

微熱気味。

吐き気だって治らない。

勉強しながら常に横には梅干し。

無性に酸っぱいものが食べたくなる。

それ以外は体が受け付けない。

不思議に思いながらも勉強のストレスかな、


と思いながら日々を過ごしていた。


そう、あの日も…。


大輝とお揃いの赤チェックのマフラーに、

制服で大輝と手をつないで学校へと向かう。

なんか、今日一段と調子悪いかもしれない。

目の前が二重になっている。

「…日菜子?」

心配そうな大輝の声に笑って、

「なに?」

と聞くと、

「顔色悪いぞ?」

と心配そうに私の額に手を伸ばそうとしたのを気づけば払っていた。

大輝のショックを受けた顔に胸が痛んだ。

「あ、ごめんね。
風邪引いてたら、移しちゃうでしょ?」

無理な言い訳を並べると、大輝はなにも言わず、そっか。とだけ言って

また私の手をつないで校門へと足を踏み入れた。


< 268 / 302 >

この作品をシェア

pagetop