君がくれたもの


1時間目から体育。

憂鬱に思いながらもジャージに着替えていると、

朝よりもめまいがひどくなってきた。

だけど、心配かけたくない。

その思いで私は体育に参加した。

女子はいつかと同じバレー男子はバスケ。

私は、体育館の壁に寄りかかって優香と亜美とバレーを眺めていた。


すると突然襲ってきた吐き気。

「…っ!」

口を覆って、

勢いよく立ち上がると、

「…日菜子?!」

どんどんと近づいていく床。

何故か私はこの時お腹を庇っていた。

それが何故かも考える間も無く私は意識を手放した。


薬品の匂いに目をさますと、クリーム色のカーテンに覆われたベッド。

保健室だ…。

起き上がると、その気配に気づいたのか先生が来た。

先生の顔はどこか怒っていて、

< 269 / 302 >

この作品をシェア

pagetop