君がくれたもの


"大輝くんには言うの?,,

私はその言葉に首を振った。

「大輝の夢壊したくない。」

「…大輝くんなら喜んでくれると思うわよ。」

…わかってる。

わかってるけど、

「…大輝には夢を叶えて欲しい。

そして、いつか大輝が夢を叶えて立派な人になったらこの子だけの存在だけでも知らせに行く。

だからと言って、多分私はこの先戻ることはない。

大輝には大輝の幸せがきっと待っているから。」

そう笑った私の頭を抱き寄せたお母さん、

「強くなったね。

私は、日菜子の意見を尊重するわ。

お母さんはいつだって日菜子の味方だよ。」

と私が大好きな笑顔を浮かべた。


大翔も、

「俺も子育て手伝うよ。」

と笑って言ってくれて、

今まで我慢してた涙が零れ落ちた。

この家族に来れて私は幸せだ、

大輝のおかげで家族の大切さもわかった。


亜美と優香にだけには言おう。

そう決めた私は、

大輝への別れを決意した。


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