君がくれたもの


大輝side

日菜子からの珍しいラインに胸がざわつく。

嫌な予感がする。

だけど自分の予感だ。

絶対に信じない。

次の日、

雲行きが怪しくなって行く空。

天気予報は晴れだったのにな…。


そんなことを考えていると待ち合わせ時間20分前に気づけば公園に着いていた。

だけど、もうそこには日菜子の姿があって、

「日菜子。」

そう呼べばくるっと振り返った日菜子。

いつだって表情はあまり出さない日菜子が、

…こんなに悲しそうに笑った時はあっただろうか…。

どんどんと予感が確信に変わっていく。

だけど、本当に不意だった、

日菜子の表情が出会った頃のように氷のように冷たい無表情になった。

そして、

何度も数え切れないくらい俺と重ね合わせた唇が紡ぐ、

言葉を、こんなに聞きたくないと、思った時はあっただろうか…。







日菜子が去った公園

俺を濡らしていく雨。

涙なのか雨なのかわからない。


だけどこんな時に思うのも日菜子が雨に当たってないか、とか。


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