君がくれたもの
その言葉に私は涙を流しながら頷いた。
何度も何度も涙と汗が一緒になって混じって、
ただ、ただ痛みに涙を流しながら耐えていた。
一回目の陣痛から何時間経っただろう。
やっと分娩室に運ばれた時は、
お昼過ぎ頃だったのに、
夜になっていて、
だけど、なかなか生まれなくて、
そして、
5月17日 06:37
日の出と共に産ぶ声が上がった。
ぐったりしている私のところに来た、
「おめでとうございます、日菜子ちゃん元気な男の子ですよ〜。」
やんちゃそうな小さい頃の大輝の写真そっくりの男の子。
疲れなんか吹っ飛んで私は泣きながらその子を、
我が子を抱きしめた。
「…産まれてきてくれてありがとう。」
嬉しくて嬉しくて涙が止まらない。
「…ママのところに生まれてきてくれてありがとう。」
「…ママだよ?」
泣きながらママだよ、と繰り返すとまだ目が見えないはずなのに必死に私へと伸ばしてくる手。
その手を優しく包み込むと、同時に
「日菜子!」
私の大好きな人が入ってきた。
「パパが来ましたよ〜。」
と笑いながら大輝の顔をみせると、