君がくれたもの
私の腕の中にいる我が子と私を抱きしめた大輝。
「…日菜子、今まで支えられなくてごめん。
遅くなっちゃってごめん。
だけど、これからは2人でいろんなことを乗り越えていこう。
俺も、この子のパパって言っていいか?」
そう言った大輝に泣きながら何度も何度も頷いた。
「…日菜子この子の名前は?」
優しく笑いながら、
私に聞いてきた。
私も我が子を優しく見つめながら、
目尻の涙を拭って、
「陽のように穏やかで優しく強く、
大輝のように輝いて誰かを幸せにできるように
陽輝Haruki。」
嬉しいな。
陽輝の手できっと私と同じように幸せにしてもらえる子が増えたんだよ。
2人で陽輝を見つめながら笑いあっていると、
先生の手によって連れて行かれてしまった陽輝。
少しだけ早く産まれてしまったから
保育器の中で少しだけ様子を見るらしい。
私は大輝の手を借りながら病室へと戻った。