君がくれたもの
「車の中に冷えピタとか買ってきたの置いてきちゃったから持ってきて?」
弱々しくいう大輝に
「わかったよ、
ゆっくり休んでてね。」
と言ってリビングで陽輝がベビーベッドでニコニコしてるのを確認してから
駐車場へと向かった。
直ぐに見つかった大輝の車を開けると、
「…は?」
言葉を失った、
「あ〜あ〜、ママにばれちゃいまちたね〜。
陽輝くん。」
「あーあー!うー!」
いきなり聞こえてきた大輝と陽輝の声に振り返ると
ニコニコ笑う大輝とクリクリした目で私を見つめる愛しの我が子。
驚く私の腕に陽輝を乗せると
車の中の
108本の赤い薔薇と、指輪の箱。
止まらない涙。
不安そうに私を見つめる陽輝。
「3年記念日ありがとう。
改めて、俺と結婚してください。」
跪いて横に赤い薔薇の花束を置いて
私に指輪の箱を開けながら渡してきた。
馬鹿、もう籍入ってるでしょ…?
止まらない涙。
「うーう?あー。」
陽輝を抱きしめながら私は何度も頷いた、
「結婚指輪は俺が弁護士になるまで待ってて…。」
…待つよ、ずっと待つ。
私の左の薬指にはめられた綺麗な指輪。
「…大輝愛してる。」
私と陽輝を同時に抱きしめた大輝。
幸せすぎて涙が止まらない。