君がくれたもの
それから2ヶ月
2ヶ月が経っても頭には日菜子の妊娠のことしかない。
ショックすぎて話にならない。
ぼーっとしながらバイト帰り歩いてると
街灯の下で、
カツーン。
首元に日菜子からもらったはずの
ネックレスがアスファルトに叩きつけられた。
「あ、」
そう言って拾おうとすれば、
「…開くのか?」
なぜかプレートの面積が今までの2倍になっている。
それを表にしてみれば、
『Last Lover
Beloved』
…最後の恋人。
最愛。
と彫られたネックレス。
霞む視界。
俺はそれをギュッと抱きしめて、
家へと帰った。
すると、久々に見るお兄と冷夏さん。
「大輝、日菜子の場所がわかったぞ。」
と、笑った2人。
「…本当か?!」
「あぁ、けど、
会って後悔しないか?」
そう言ったお兄に俺は頷いた。
誰が後悔なんてするか、むしろ嬉しいわ。