君がくれたもの
放課後
2人で教室を出て、
繁華街へと向かった。
駅前のアイス屋さんの
チョコデラックスパフェを頼んで2人で仲良く食べた。
そして、
いつも通り帰る時間になった。
私の家は門限はないけど、
金澤が危ないからって7時までに帰してくれるんだ。
正確には、送って行ってくれる。
こんなに常に金澤といるのに飽きないのは、
すごいと思う。
「ねぇ、日菜子ちゃん。」
「ん?」
土手を2人で話していると、
真剣な声の金澤に不思議に思って、
金澤を見上げると、
悲しそうに眉を寄せる
金澤の顔。
「…まだ、松原を忘れられない?」
…松原、
あぁ、悠介のことか。
そうだね。
「…きっと、忘れられることはないと思う。
あいつクズだったけど私の初恋だし。
でも、好きっていう意味ではもう忘れられたと思う。」
きっと、
多分、
忘れられたと思う。