君がくれたもの
名前は確か、美麗だっけ。
「なによその目。」
すくっと立ち上がった彼女は、
お母さんが洗濯物を取り込みに行っていないことをいい事に私へと詰め寄ってくる。
「こっちくんな。
タバコの臭いが移る。」
胸あたりまでの髪を結いながら言うと
突然肩を掴まれて、
ビンタをされてから
思いっきり押し倒された。
「…っ。」
痛みに顔を歪めると、
ものすごい物音に気付いたのか、
お母さんが、
「日菜子?!」
慌ててリビングへと入ってきた。
「…あんた、なにやってんの?」
震えるお母さんの声。
だって、それもそのはずだ。
"私が美麗ちゃんを殴った後。,,
そういう現場を作りたいのか、
いきなり座り込んで頬に手を当てて、
俯いている彼女。