君がくれたもの


だって、

全部私が悪い。

ふと思った、

金澤に会いたい。

スマホも財布も忘れてきた私。

だけど、

「…私のこと本当に好きなら見つけてよ、金澤。」

土手に座り込んで私は、

届くはずのない独り言をつぶやいた。



それから日が暮れて、

私の足はきっと捻挫だろう。

腫れてしまった。

歩くのも辛いや。

ただぼーっと、流れる川を眺めていた。

金澤に会いたい。

「金澤。」

届くはずないのに、

「金澤。」

聞こえるはずないのに。

「っ、金澤っ。」

いるはずないのに、

ボロボロこぼれた涙。

「…金澤会いたいよ。」

とうとう涙が止まらなくなって

膝に顔を埋めた時、

「〜っ!日菜子!」
私を呼ぶ声。

その声はずっと私が待ち望んでいた声で、

泣きながら振り返ると、

全力疾走をしてこちらに向かってくる金澤。


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