君がくれたもの
私を力強く抱き締める腕。
「日菜子が想ってる事全部話して…?」
また、
また、
金澤に縋っていいの?
金澤に助けを求めてもいいの?
金澤に弱音を吐いてもいいの?
いいなら、
お願い、
「お母さんと、お父さんが取られそうで怖かった。
今までは大翔とも仲が良かったのに、
離れていかれるのが怖かった。」
「…ん。」
「リビングに入るたび腫れ物に触るような態度をとるお母さんとお父さんと大翔にムカついて、それと同じように
見るたびに孤独感が増して行った。
家にいたいって思わなくなった。
ずっと、金澤達と遊んでいたいって思ってた。
帰り道がずっと憂鬱だった。
玄関の靴を見るたびに絶望した。
リビングに入って、あの人の姿を見る度怖くなって震えてた。
気づけば、家が一番嫌いな自分の場所になってた。
悠介にも浮気をされていて、
麻美にも裏切られていて、
私の居場所がないって、そう思って
何度も自殺をしようとしてた。」