君がくれたもの
最後の言葉にぴくりと反応した金澤。
「…最後まで聞いて。」
誰にも言えなかった事。
誰にも言うつもりがなかった事。
金澤にだけ言うから。
「…私ね、中学三年間いじめられてたの。」
「今でも消えない傷跡がある。
消えて欲しいのに消えない傷跡。
誰にも言えなかった。
中学の頃の教科書で綺麗なものなんて一冊もない。
初めてだって奪われた。
そんな私を汚いって思うならしょうがないよ。
だって、本当に私汚いから。
だけど、今まで言えなかったの。
お母さんにもお父さんにも元親友にも元彼にも。
汚いって思われたくないから。
その時に初めて強く強く死にたいって思ったの。
その日と、2人の浮気現場を目撃した日は一緒だったから。
絶望した。
なんで、私は生きてるんだろう。
そう思ったの。
でもね、
そこで出会った男の子に救われたの。
金髪の無愛想な男の子。
その子のたった一言。
『大丈夫か?』
が、
金澤の一言が
ずっと私を支え続けてくれてた。」