君がくれたもの
「日菜子。」
大輝が私を呼ぶ声。
「…ん?」
振り返ると、大輝の横には顔が見えない私よりも背が高いきっと綺麗な女の人。
その女の人は大切そうにぷっくりと膨らんだお腹を抱えていて、
「ごめん。
元カノが俺との子を妊娠したんだ。
俺は一緒に育てたいと思ってる。
だから、別れてくれないか。」
そう言った大輝に
私は、
「行かないで。」
とも、
「いやだ。」
とも言えなくて、
「そっか。」
としか言えなかった。
涙を流す私に無情にも強く雨が降り注いで、
涙が止まらなくて、
去った2人の方向をみながら、
「大輝!」
そう叫んでいた。
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ハッと目を覚まして飛び起きると、
そこは明け方の自分の部屋。
やけにリアルな夢だったな。
と頬を伝う何かを確認すると
ポロポロ溢れる涙。
大輝は私の横ですやすや幸せそうに眠っていて、