君がくれたもの


パチパチ湧き上がる拍手と

茶化す声。

そして、

「…本当、なんなの?
日菜子好きになってよかった…」

と私を抱きしめた大輝。

店員さんは店員さんで、

「いい彼女さんですね。

サービスします!」

という始末。

え?そんなのしていいの?と思ってその人の名札を見ると、

店長



と書かれたネームプレート。

店長さんなんだ!

「はい、

お二人方のお熱で溶けないようにしてくださいね!」

と渡されたアイスはダブルになっていて、

なんか、最後余計なこと言われた気がするけど、

オレンジとストロベリーの組み合わせは
無敵だ。

すぐに機嫌が良くなった私を

後ろで笑いながら優しく見守る大輝に振り返って、

「私も将来のためにコツコツ貯金するね!」

と言っていた。

付き合ってまだ1週間。

まだまだ先の話かもしれない。


どうせ別れる。

高校生の恋なんてすぐ終わる。

そう思うかもしれない。

だけどね、

私達は本気なんだ。

揺るぎない気持ち。

「大輝なら永遠を信じられるんだ。」

と笑いかけた私に

目を見開いた大輝は優しく笑って、

「俺もだよ。」

そう言ってくれた。



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