君がくれたもの


私的には、

夏用ポンチョに白のズボン。

いやだけど、

ピンク系の花柄のミニシフォンワンピースのほうが可愛いしデートっぽいよね?

「あぁぁぁあぁあっ!」

決まらなすぎて頭を抱えながら叫ぶと、

いきなり開いた部屋のドア。

「なんだ?!
どうした?!」

とキョロキョロ私の部屋に入ってきた大翔。

確か大翔ってデザイナーの学科だよね?!

「ねぇ!大翔!!」

「お、おう?!」


「初デートの服どれがいいと思う?!」

「…え?」

大翔に詰め寄った私。

大翔は驚きながらも

私の服を選んでくれて、


最終的に決まったのは、

ピンク系の花柄のミニシフォンワンピース。

髪型も私の髪をゆるく巻いて、

編み込みにして横縛りにしてくれた。

メイクも軽くしてくれて、

って、

「なんでメイクのやり方知ってんの?」

まさか、オカ…

「変なこと考えてんじゃねぇぞ。
元カノに教えられたんだよ、
元カノに。」

と言った大翔に、

胸が痛んだ。

そっか、
大翔は、忘れられない人がいるんだよね。

鏡を見ればヘラヘラ笑っている大翔。

なぜか触れちゃいけない気がして、

私は、

笑いかえした。

そしてメイクも一通り終わった時、

ピンポーン。

「大輝だ!」

「あ、大翔ありがとう!」

と慌てて下に降りていくと、

玄関でお母さんと話してる大輝の姿。

「大輝!」

と、階段を駆け下りて飛びつくと、

私を軽々しく受け止めた大輝。

「やばい。

日菜子可愛すぎ。」

「?!」

思わず赤くなる頬を大輝の胸に埋めて隠した。



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