君がくれたもの


だけど、だんだん視線が柔らかくなっていって、

恐る恐る大輝を見上げると、

顔を真っ赤にして、口元を腕で覆ってる大輝。

「…え?だい…ぐぇっ。」

名前呼んでる途中に抱きしめるのやめよ?

変な声出ちゃったよ?

ぐぇっ、ってなに?

自分で言っといて面白すぎて笑いそうだよ?

ぐぇっ、って、

恥ずかしすぎるわ。

「ぐぇっ、ってなんだし。」

と、クスクス笑う大輝に、

私も耐えられなくなって、

くすくす笑いがこみ上げてきた。

「もう、本当日菜子好き。
大好き。」

「…ん、私も好き。大好き。

だから、暑いから離して。」

お願い離して、マジで暑い。

本当に暑い。

熱中症で死ぬよ?

別の意味の熱中症もあるかもしれないけど、

って、本当に私最近どうしちゃったの?

どんだけ大輝好きなの?

ちょっと、やばくない?

いや、もっと好きになっちゃいそうで怖いんだけど。

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