君がくれたもの
殺気の籠った目で私を襲った3人組を睨みつけた。
「…なにやってんの?」
低い低い声。
地を這うような低い声は私が聞いた時がない声で、
いつもの大輝じゃない。
だけど、私を抱きしめる腕が優しくて私が大好きな大輝の腕で、
思わず大輝の腕を抱きしめた。
だけど、私の腕を優しく解いた大輝は
私を守るように私の前へと立った。
「…だめだよ。」
だめ、
一対三なんて敵うはずない。
大輝を傷つけたくない。
大輝が傷つくくらいなら私が傷つく。
「なにが。」
「大輝が傷つくことをして欲しくない。」
大輝の背中を掴んで必死に言っても、
何も言ってくれない。
「ねぇ、大輝。」
ぽつりと溢れた涙を振り返った大輝が優しく拭ってくれて、
「ごめん、日菜子。
けど、俺は日菜子を傷つける原因のこいつらが日菜子を苦しませるこいつらが許せない。」
そう言って、私から離れていった大輝は、
「お前らちょっと、表でろ。」
そう言って、ひまわり畑の出口のゲートを指差した。
3人組はニヤニヤしていて、
殺意すら湧いてくる。