『N』ー忍びで候うー
「それは誰だ?」
一花の声が鋭くなった。

「おそらく、その女も俺たちと同類。」

「そんな、、、」
郷太は唇を噛んだ。

「そんな者がいながら、どうして犬が暴走したんでしょうね?、、いや、何故親子のように見せる必要があったのか?」


一花が口元に手をやった。

「わざと、、七花に犬をケシかけた?

でも無傷だったんですよね?」三田がメガネをずりあげる。


「失礼。頭首からです。」
六車は震える携帯を持ち上げた。



「ええ、店です。

七花ですか?いえ、ここには居ませんよ。

、、実は先ほどまで店の前に来ていましたが、今日は彼女を話には加えられないのでーーー


、、七花に連絡がつかない?」

全員が六車に視線を向けた。

「帰る予定の時間も過ぎて、、ええ、頭首あてに七花の携帯から無言電話が?
携帯の発信場所は、、はい。」
走り書いたメモを一花は目に焼き付けた。

「三田、他に情報があれば携帯に知らせてくれ。」
一花は走り出していた。


次郎も続いて飛び出した。





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