『N』ー忍びで候うー
真っ暗な闇が広がっていた。


大学の構内に3人は降り立っていた。

「ちょうど決行の日に重なるなんてな。」
「2人とも救い出してみせるよ。」
「当然だ。」
うっすら差した月光に鋭い光が反射した。
一花の瞳がいつもより激しい光を宿していた。

かき上げた髪に額と瞳が露わになっている。



『本当にいつもの一とは違う。』
『まさか一花がこんなタイプだったなんて。。』
次郎と郷太は口には出さないがそれぞれ感じるところがあった。

「では手筈通りに。」

一花は構内を見つめたまま手にした防煙マスクを被った。2人もそれに続いてマスクを手にした。





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