『N』ー忍びで候うー
しゃがれた小さな声が言った。

「どんな手を使おうが、知らないことは話しようがない。無関係なお嬢さんまで巻き込むのは止めろ。」

七花はその男性の姿を見つめていた。
『ほんとに、、おじいちゃまなの??』
記憶の中のおじいちゃまはもっと大きくて、あったかい太い声で、、


「ほざけ、宗之。お前の孫であることは調べ済みだ。長い間会えなかったからなぁ、、

見てもわからんのだろう?」

何もない部屋に男の声がごわんと響いた。

初老の男の声は、痛めつけられすぎたのか響かないくらいしゃがれていたのに。

「・・・」

男の笑い声が響き、その声に七花はぞわそわと嫌悪感が沸いた。

「青、ちょっとやってやれ。」

カツンカツン、ヒールの音をさせて七花に女が近づいた。猿轡をかまされた七花は声も出せない。
女は冷たい、表情の無い顔をしていた。

「ん!?んんー?!」
七花の目に何かを巻きつけ視界を塞いだ。

「じいさんが口を割らないからだなぁ、、」

ぱしっ

ぱしぱしぱしっ!

「っ!!ん、、」

両頬に痛みが走った。


「続けろ。」



すーっと風を感じた。。





『一花ぁーーーっ、、、!!!』
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