『N』ー忍びで候うー
数年前に行方不明になっていたおじいちゃまが見つかったと言う!

ただ、見つかっただけではなく、「救い出すため」におばあちゃまは会長の座を譲り、その、忍者の活動を再開させたという。。
それもおばあちゃまが忍者の頭首、宗之(むねゆき)という名まであって!


「まぁ、聞きなさい。質問は後で聞いてあげるから。」
開きかけた口を制し、おばあちゃまは続けた。




もとはおじいちゃまが先代、頭首宗之だったという。
おばあちゃまはおじいちゃまと結婚して嫁いできたのだから、この家系はおじいちゃま方の話だ。
当時も、先代のもとで忍者たちは裏では情報屋、探偵、掃除屋として活動していたという。


だが、ある時、突然先代の行方が分からなくなった。必死の捜索にも関わらず、行方は知れなかった。霞に消えたかのように。。
それが今から15年前のこと。


あたしが4つの時だった。

ーー覚えてる。。
おばあちゃまも心労から体調を崩していた、と後から聞いたんだっけ、、
だから、しばらくおばあちゃまにも会えない日が続いていたんだった。


だがこの時、紀子(おばあちゃま)は先代は実は何者かによって拉致された可能性があることを知り、伏していた床から起き上がり、行動を起こしたという。

総員を動員し探したが、それでも先代の行方は、手がかりすら掴めなかった。
紀子は夫の帰りを信じ、頭首宗之の名を継いだ。

おばあちゃまが頭首を継ぐと、
先代の捜索以外には裏の仕事はぐっと減少させるようになった。

紀子の中には裏の仕事は子供たちには継がせたくない思いがあったのかもしれない、とは
後に六車が言っていた。



そして、長らく隠密裏に動いていた結果、やっと、、先代の居場所を掴んだ。

それで頭首は先代を即刻取り返すべく、打って出ようとした矢先、予想外にも孫娘の希代香が来たということらしかった。










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