『N』ー忍びで候うー
「七花ぁ、ずるいぞ〜。」郷太はベッドの側に寄った。完全に七花に戯れているように見える。
「・・・」一花は考え込み、固まっている。

次郎は軽く失笑した。





「え?なんて?七花、いま何か言ったよね?」郷太が布団を掴んだ手を止めた。

「匂い、、お日さまの、、匂い」

言い切らないうちに郷太が噴き出した。
「ぷ!何それ、お日さまの匂いって!」
「おひさま?」もうひとつ声が聞こえてちらっと布団から顔をのぞかせた。
「次郎もいたの?!ぇー、、」
一花は口元に手を当て固まっている。

「もぅ、、ぁっ、痛、、」さすがに顔を動かし過ぎて、皮膚がじんじんとまた熱を帯び始めてきた。

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