『N』ー忍びで候うー
授業が終わり、あたしはいつもの帰り道を歩いていた。紗江はサークルがあって、今日はあたしひとりだった。


さぁっと暖かい風が吹き抜けていく。
そっと頬に手を当てた。
「もう、痛くない。」
もう傷も残っていない。

『よかった。』そう思うのに、
もう会えないのかな、、と思うと寂しい気がした。

「ぁ、」
携帯が鳴っているのに気がついた。

カバンから出して見る。
「ん?はい、、」

ぷつっ、つー、つー、、

電話はすぐに切れてしまった。

「ん??」

次の瞬間ーーー、


「見つけた。」



後ろから声がした。



< 147 / 159 >

この作品をシェア

pagetop