『N』ー忍びで候うー
「あなた、」

宗之は紀子の手にそっと手を重ねた。

「もう少し、様子をみよう。
大丈夫、一花も張り付いてるんだから。」

2人は声を潜めて話していた。
六車の姿もカウンターには見えず、静かな店内には小さな声でもよく響くようだった。

「出来ることなら、普通の生活をさせてあげたいじゃないか。」

紀子は大きく頷いた。


「ええ、もちろんです。」








< 157 / 159 >

この作品をシェア

pagetop