『N』ー忍びで候うー
じっと一花の視線があたしに突き刺さるようなのを感じた。
だけどあたしも引かない。
『脱がされたくない。。』
ぐっと一花の肩を今度はあたしが掴んでいた。


しばらくの沈黙。



「わかった。」
ほ。。

「手を離せ。」
「ぁ、はい、はい。」

慌てて肩から手を離した。
そんな言い方しなくたって、いいのに。。
さっきはあたしの肩を何度気軽に触ってきてたか、、

ひとりぶつぶつ思っていると、
「行くぞ。」一花さんの声がかかった。

「しっかりつかまれ。」
ふわっと身体が浮き上がった。

「ひゃぁっ」
視界が高くなる。

思わず、手がしっかりと掴んでいた。
一花さんの胸元を。

「そこじゃ不安定だ。首に回せ。」

「あ、でも、」

涼しい目元がきらきらっとなんでか光るように見えたのは薄い日差しが降りてきていたからだろうか・・








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