『N』ー忍びで候うー
、、と思ったら、しっかり逞しい腕に受け止められていた。
「俊敏さも磨くと良さそうだな。」
かっと顔が熱くなる。

「りょ、料理なら得意だけど。。」
「家政科らしいな。」
な、情報がはやいっ!さすが、、!
見上げると、何でもないという顔。

「料理の腕か。使える場所を考えておこう。」
やったぁ、あたしも役に立てるかも♪
「栄養もカロリーも考えて、、っあぁ!」
離れようとした拍子に思いっきり左足で踏ん張ってしまい、悲鳴をあげた。

べたり。

今度こそ地面に突っ伏した。。



足は痛いし、恥ずかしくって顔があげられない、、、







かさっ、かさっ、

落葉を踏みしめる音。

「鍛え甲斐がありそうだな。」
一花の足が見えた。

「七花、顔を上げろ。」



見上げる。

「常に目的を忘れるな。お前の目的は先代を助けることだろう?」

「うん、助けたい。
おじいちゃまを助けたい。」

「俺たちは仲間だ。時間がかかっても、一人前の忍者にしてやる。」

目の前の全身黒づくめの彼は逆光で表情は見えなかったけど、とても頼もしく見えた。

差し出された手を握った。大きくて力強い手だった。
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