『N』ー忍びで候うー
「ここが甘い。」
「きゃっ!」
肩をぐっと押さえられる。
「脇を閉めたまま、後ろに引くんだ。こう。」
首筋を掴んだままの腕を後ろに引かれる。
「一花らしい。今日も猛特訓だね。」郷太がつぶやく。

「わかるか?これで大きな男でも投げ飛ばせる。」
一花が覆いかぶさるように近くなる。
「う、うん、、」
「よし。」
体が離れた。
どーっと汗が噴き出すようだった。

「ちょっと休憩しない?服も持ってきたことだし。」
郷太が担いでいた袋をひょいと上げて見せた。




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