『N』ー忍びで候うー
11.配属変更
ふらつく足でベッドから降り、ドアへと近づいて行った。
取っ手に触れるよりも先に、それは開いた。
「これは、もう起き上がれたんですか?」
白いシャツにエプロンをつけた六車だった。
「気分はどうです?」
「あ、、」
「おっと、危ない。」
ぐらつきかけたところを支えられる。
「何も食べてないですからね。急には無理ですよ。まずはゆっくり休んで、ね。」
「でも、特訓が、、」
「そんな顔しないで。
しばらく休んで大丈夫ですよ。あなたはここの所属に変わりましたから。」
そう言いつつ、意外に逞しさのある腕に抱き上げられ、ベッドに戻された。その力強さで、彼もやっぱりただのバリスタじゃないんだと思われた。
「急にがんばりすぎて、倒れちゃったんですよ。
覚えてますか?」
「・・一花の声が聞こえたような・・」
七花はわずかに首を横に振った。なぜここにこうしているのか、思い出せなかった。
温かい手が肩に乗せられた。
「今はゆっくり。」
ベッドに横たわる。その間、六車は身体を支えてくれていた。
「ここなら料理の腕も活かせますよ。」
パタン、と閉じた扉を見つめる。
見上げる天井に数日しかいなかったはずのログハウスの天井が思い出される。
『心配してくれてた、一花の声、、』
ここにはいない一花の顔がなぜだか思い出されて仕方がなかった。
取っ手に触れるよりも先に、それは開いた。
「これは、もう起き上がれたんですか?」
白いシャツにエプロンをつけた六車だった。
「気分はどうです?」
「あ、、」
「おっと、危ない。」
ぐらつきかけたところを支えられる。
「何も食べてないですからね。急には無理ですよ。まずはゆっくり休んで、ね。」
「でも、特訓が、、」
「そんな顔しないで。
しばらく休んで大丈夫ですよ。あなたはここの所属に変わりましたから。」
そう言いつつ、意外に逞しさのある腕に抱き上げられ、ベッドに戻された。その力強さで、彼もやっぱりただのバリスタじゃないんだと思われた。
「急にがんばりすぎて、倒れちゃったんですよ。
覚えてますか?」
「・・一花の声が聞こえたような・・」
七花はわずかに首を横に振った。なぜここにこうしているのか、思い出せなかった。
温かい手が肩に乗せられた。
「今はゆっくり。」
ベッドに横たわる。その間、六車は身体を支えてくれていた。
「ここなら料理の腕も活かせますよ。」
パタン、と閉じた扉を見つめる。
見上げる天井に数日しかいなかったはずのログハウスの天井が思い出される。
『心配してくれてた、一花の声、、』
ここにはいない一花の顔がなぜだか思い出されて仕方がなかった。