『N』ー忍びで候うー
「初めましてですね。」
ずずーっと音を立てアイスティーを啜る。
「あなたのお話だけは郷太からいろいろと聞いていましたけど。ぁぁ、失礼。ここまで急いで来たもので。」
ずずーっとアイスティーを飲み干した。
「ふぅー・・」

あっけにとられるあたしの肩に手が触れた。
見上げると、一花があたしにも座るよう席を促した。

「後で次郎も来ることになっている。」
「そうですか。それはちょうどいいですね。みんなでお茶にしますか。七花の焼いたケーキもありますよ。」

六車がカウンターから出てきた。
「今日は閉店にしましょう。郷太も呼びますか?」
六車は一花と三田を見た。
「彼は今仕事中だと思いますよ。」
「なら、しょうがないですね。」

看板が店内に仕舞われた。
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